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儀式的誹謗中傷の手口

 

翻訳: 東大樹
校正: 漆畑晶

1990年に書かれたレアード・ウィルコックス氏の短いエッセイ[1]は、今でも通用する内容で、 特にリチャード・ストールマン氏への誹謗中傷にも当てはまります。 ウィルコックス氏によって説明された手口は、ストールマン氏への攻撃者が採用した手法と酷似しています。 私たちは著者の許可を得て、原文[2]をそのまま転載しています。 5分読むだけでも、その題材の書籍の1、2冊分の価値があります。

ライセンスについて: この記事はこのサイトのデフォルトのライセンスである CC-BY-SA ライセンスの例外となります。 著者 (レアード・ウィルコックス氏) は、この記事のコピーを公開する許可は与えていません。

儀式的誹謗中傷の手口
民主主義社会において、価値観、意見、信念がどのように操られているか

レアード・ウィルコックス/著 - 1990年

誹謗中傷とは、誹謗中傷の標的となる人物の評判、地位、個性を破壊すること、または破壊しようとすることです。不当、不正、または悪意のある言論や出版物によって、個人やグループのコミュニティにおける社会的立場をも破壊しようとします。 このエッセイの主題で中心となる要素は、標的の現実または想像の上での態度や標的の意見、信念に対する報復の中で、標的である彼または彼女を黙らせたり、影響力を無力化したりするため、あるいは、標的を見せしめにして、同じような独立性、“不屈性”を持つ者、タブーを守らない者を抑止するという手口に関することです。 儀式的誹謗中傷は攻撃的である点、組織的で巧みに実行されるという点、その多くが組織や特別な利益団体の代弁者によって実行され、いくつかの特徴的な要素で構成されている点で、単純な批判や反対とは性質および程度が異なります。 #aggressive

儀式的誹謗中傷は既定の宗教的または神秘的教義に従っていたり、何か特定の文書や聖典によって推奨された行動を取ったりするから儀式なのではなく、むしろ、儀式のように、いくつかの特徴で構成された予測可能で典型的な行動様式に従うことが儀式的(儀式と似た特徴を持つ集団行動)なのです。

儀式的誹謗中傷の要素は以下のとおりです。

  1. 儀式的誹謗中傷において、標的は、何らかの方法で特定のタブーを犯していなければなりません。通常は、禁じられた態度、意見、信念を表明したり、それらに同調したりすることによってタブーを犯します。具体的な何かを“する”必要はなく、特段の行動を取る必要もありません。対話を通してそれらを表明したり、態度によって示唆したりなど、何らかの形でそれらを表明すればタブーを犯したことになります。 #no-deed
  2. 儀式的誹謗中傷における攻撃手法では、標的の人格を執拗に攻め、表明または示唆された特定の態度、意見、信念に対しての、形だけの挑発以上の攻撃は決してしません。人格攻撃が主な手段です。 #character-assassination
  3. 儀式的誹謗中傷における重要な掟は、表明された真実性や妥当性ついてのいかなる種類の討論も避け、只々非難することです。討論するということは、まさに 儀式的誹謗中傷が避けようとすることです。討論することは、その行為を俎上に載せ、その行為の意義について評価し、それを裏付ける証拠を考察することに繋がってしまうからです。儀式的誹謗中傷の第一の目的は検閲抑圧です。
    #no-debate
  4. 標的は世間から注目されていて、控えめであっても—世論によって傷付きやすく—影響を受けやすい人物が多数です。 それは学校の先生、作家、ビジネスマン、下級役人、あるいは単に発言力のある一般市民かもしれません。 可視性は儀式的誹謗中傷への脆弱性を高めます。 #vulnerable
  5. 誹謗中傷に加勢を呼び掛ける試みはしばしば成功を収めます。 公務員の場合は、他の公務員が違反者を糾弾するように促します。 学生の場合は、他の学生にも声をかけるなどの工夫をします。 #mob
  6. 儀式的誹謗中傷を効果的にするためには、標的を人間性が奪われた状態にしなければなりません。問題のある態度、意見、信念と同一になり、そしてそれが最も極端に現れるところまで歪められるほどにです。 例えば、“破壊分子”として誹謗中傷された標的は、諜報活動、テロリズム、反逆罪といった最悪な破壊イメージと同一視されてしまいます。 “変質者”として誹謗中傷された標的は、児童虐待やレイプといった最悪の変態イメージと同一視されてしまいます。 “人種差別主義者“または“反ユダヤ主義者“として誹謗中傷された標的は、(法に依らない)私刑やガス室といった最悪の人種差別または反ユダヤ主義イメージと同一視されてしまいます。 #exaggeration
  7. また、儀式的誹謗中傷が成功するためには、家族や友人など、あらゆる方面から標的に圧力や屈辱感を与えなければなりません。標的に子供がいる場合、悪評のせいで、嘲られ、からかわれるかもしれません。被雇用者の場合、解雇されるかもしれません。クラブや団体に所属している場合、標的を追放するように別のメンバーが促されるかもしれません。 #humiliation
  8. 誤解されているという主張を含め、標的による釈明は、誹謗中傷の原因となった内容とは無関係であるとみなされ取り合ってもらえません。社会正義に反する価値観、意見、信念を擁護するために真実を主張することは、反抗的な態度と解釈され、問題を悪化させるだけです。儀式的誹謗中傷は、必ずしも間違いであることや不正確であることが問題とされるわけではなく、むしろ多くは社会的タブーを守らない“無神経さ”が問題とされます。 #insensitivity

儀式的誹謗中傷の手口における興味深い側面は、その普遍性です。いかなる価値観、意見、信念または、いかなるグループ、マイノリティ文化特有のものではありません。政治的党派、民族、国家、宗教グループがその手口を用いることもあれば、その反対勢力が手口を用いることもあるでしょう。例えば、ユダヤ人に対して反ユダヤ主義者が用いる場合、反ユダヤ主義者に対してユダヤ人が用いる場合、左翼に対して右翼が、右翼に対して左翼が用いる場合があります。

儀式的誹謗中傷の力はすべて、威嚇と脅迫の能力を与えることに由来します。“呪い”や“妖術”といった原始的な迷信の要素を含んでいます。多くの人が抱く潜在的恐怖心を利用しています。部族や社会から見捨てられたり、拒絶されたり、社会的、心理的な支援システムから切り離されてしまうといった共通の恐怖心を利用するのです。 #peer-pressure

儀式的誹謗中傷の弱点は、やりすぎな傾向と見え透いた悪意にあります。時折、儀式的誹謗中傷はお粗末な計画や標的の脆弱性の正確な判断を見誤ることによって、または、その攻撃性が仇となり、(第三者の)標的への共感を呼んでしまう(呼び起こしてしまう)ことによって失敗するでしょう。

儀式的誹謗中傷のパターンを認識し、見極めることが重要です。それはすべてのプロパガンダや風説の流布のように言葉やシンボルを操作することによって達成します。説得するためではなく、罰するために使用されます。認知的な要素もありますが、その推進力は主に感情的な要素です。 儀式的誹謗中傷は、傷付けるため、威嚇するため、破壊するために使われ、迫害するため、自由な社会が基礎基盤としている対話、討論、議論を避けるために使われます。よって、誰がその(ような)行為を正当化しようとも反対しなければなりません。 #emotional

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参考文献および注

  1. レアード・ウィルコックス
  2. The Practice of Ritual Defamation (儀式的誹謗中傷の手口の原文) (アーカイブ版)